2009年8月14日

フィールドワークの入門書2冊



出発前になんとか読みおわった。フィールドワークに関する本二冊。主にエスノグラフィー(民族誌)を書くためのフィールドワークの入門書だが、類人猿研究にも応用できる部分が多々ある。

「恥知らずの折衷主義」と称して、ひとつの方法、単一の尺度にしばられるのではなく、さまざまな方法を駆使していろんなタイプのデータを集め、それらを組合せて説得力のある理論的説明を鍛えあげるというアプローチに大きくうなずく。

自然科学では、なるべく少ない分析項目で言いたいことを示すほうが「かっこいい」とされているが、大型類人猿の生態のような、スケールが大きくてつかみどころのないものについては、もっと自由な方法論でいろいろやってもいい。とくに、ムカラバのような、あたらしいところでは。

文章は平易でわかりやすく、初学者にもよみやすい。学生むけの教科書にしてもよい。かならずしも民族誌的調査に限らず、社会調査全般の教科書としてつかえるだろう。