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2009年11月12日

調査地のGISデータベース構築に挑戦(6) ETM+画像データをGRASSデータベースにとりこむ


いよいよ、第3回でダウンロードしたランドサット画像をGRASSにとりこむ。

下準備

ダウンロードファイル、elp185r062_7t20000806.tar.gzを解凍して中身を見る。

> tar zxvf elp185r062_7t20000806.tar.gz
> cd elp185r062_7t20000806
> ls
p185r062_7k20000806_z32_nn61.tif  p185r062_7t20000806_z32_nn20.tif
p185r062_7k20000806_z32_nn62.tif  p185r062_7t20000806_z32_nn30.tif
p185r062_7p20000806_z32_nn80.tif  p185r062_7t20000806_z32_nn40.tif
p185r062_7t20000806.met          p185r062_7t20000806_z32_nn50.tif
p185r062_7t20000806_z32_nn10.tif  p185r062_7t20000806_z32_nn70.tif

雰囲気でだいたいわかるが、拡張子".tif"のついているファイルが衛星画像で、拡張子の直前の番号がバンド名。拡張子が".met"のものはテキストファイルで、この衛星画像のメタ情報が記されている。

このメタ情報をもとにGRASSのロケーションを作成する。

GRASSロケーション作成

GRASSを起動する。ここでは、wxPythonを使ったGUIを用いる。

> grass -wx # -wx オプションでwxPython GUIを指定。

  • 起動画面右の「Location wizard」をクリック
  • 次画面でデータディレクトリとロケーション名を入力
  • 次画面で「Use coordinate system of selected georeferenced file」をチェックする。

ダウンロードしたETM+画像はGeoTIFF形式で、画像の測地系、楕円体、投影法の情報がメタファイルに記されている。上記を選択することで、GRASSが選択されたTIFFファイルの地理情報を読みとってくれるのだ。ちなみにダウンロードされたファイルは、WGS84測地系(WGS84楕円体)にもとづき、UTM(ゾーン32、赤道のY値は0)に投影されたものである。

  • 次画面で、どのバンドでもよいからtifファイルを選択。
  • 次画面で「Finish」をクリックすると、「Do you want to set the default region extents and resolution now?」と表示されるので、「はい」を選択する。

ここで、ロケーションのデフォルト範囲と地上解像度を設定する。.metファイルの以下の行を参考に、東西南北の座標値を入力する。

SCENE_UL_CORNER_MAPX = 596362.500   # 画像の左上のX座標値
SCENE_UL_CORNER_MAPY = -216514.500  # 同、Y座標値
SCENE_UR_CORNER_MAPX = 778164.000   # 画像の右上のX座標値
SCENE_UR_CORNER_MAPY = -243019.500  # 同、Y座標値
SCENE_LL_CORNER_MAPX = 557631.000   # 画像の左下のX座標値
SCENE_LL_CORNER_MAPY = -396406.500  # 同、Y座標値
SCENE_LR_CORNER_MAPX = 739489.500   # 画像の右下のX座標値
SCENE_LR_CORNER_MAPY = -422940.000  # 同、Y座標値

地上解像度は、もっとも高解像度のバンド8、すなわちパンクロ画像にあわせる。.metファイルを見ると、

GRID_CELL_SIZE_PAN = 14.250   # パンクロ画像の地上解像度
GRID_CELL_SIZE_THM = 57.000   # 赤外線画像の地上解像度
GRID_CELL_SIZE_REF = 28.500   # 可視光画像の地上解像度

とあり、14.250mとわかる。x,yとも同じ値を記入する。

これでロケーションが作成され、自動的に「PARMANENT」というマップセットがその中に作られる。

GUIで今作成したロケーションのマップセットPARMANENTを選択して左下の「Start GRASS」をクリックすると、GRASSが起動する。

GRASSへの衛星画像のインポート

GRASSの「GIS Layer Manager」画面で、File → import raster map → Multiple raster data import using GDAL を選択する。
「Choose directory」で、ETM+画像を格納したディレクトリを指定する。Select file extensio を "tif"として、「import」ボタンをクリックすると、ディレクトリ内のすべてのtif画像をGRASS GISにインポートしてくれる。

インポートされたデータの名前は、それぞれのファイル名と同じになっている。

これは、コマンドラインでの操作としては、それぞれのファイルに対し

r.in gdal -o input="filename" output="filename"

を行なったのと同じことになる。

必要に応じて、インポートした地図データの名前は変更できる。

次回はSRTM画像をGRASSにとりこみ、SRTMの標高データをもとに等高線地図を作成する。

2009年11月 1日

調査地のGISデータベース構築に挑戦(4) SRTMデータの入手

前回ランドサット画像を入手したのにひきつづき、今回は標高データとして、SRTMデータを入手する。
SRTMとはスペースシャトルが軌道上から合成開口レーダーで取得した,ほぼ全地球の3Dデータデータです。

 以前からversion1のデータが入手可能でしたが,現在はさらにデータ処理を行い,扱いやすくしたversion2が入手可能です。(ちずろぐ別館より抜粋)

USGSの解説によると、2000年2月にスペースシャトル・エンデバー号が全世界の三次元撮影を行なったそうだ。アメリカ合衆国の地形は解像度約30m、それ以外の地域だと約90mの画像が手にはいる。


ダウンロードはランドサット画像と同じく、USGSのサイトからである。EarthExplorerで Elevation→SRTM にチェックを入れ、地図で場所を選んで検索する。検索の手順は、前回のエントリに詳しく書いた。

ムカラバ周辺では、2002年に作成された画像が手にはいった。 "BILフォーマット" と "DTEDフォーマット"のファイルがダウンロードできる。フォーマットの形式についてはこれから勉強。とりあえず両方ダウンロードした。

次回は、前回ダウンロードしたランドサット画像を開いて、GRASS GISにとりこむ作業を行なう。

2009年11月 1日

調査地のGISデータベース構築に挑戦(3) ランドサット画像の入手

ランドサット ETM+データについて

Landsat
はアメリカ NASAが運用している衛星で、およそ16日周期で、地球上のあらゆる場所を撮影している。現在運用されているのは7号機。ETM+というセンサーを搭載し、可視から熱赤外まで8バンドの観測波長を持っている。

運用開始は1999年。2003年の夏に撮影装置が壊れ、それ以降の画像はSLC-Offモード(詳細は)で撮影されている。SLC-Offモードで撮影された画像には縞々の線が入ってしまう。詳細はhttp://eros.usgs.gov/#/Find_Data/Products_and_Data_Available/ETMに説明がある。

8つのバンドがカバーする波長は以下のとおり。

  • バンド 1: 0.45-0.52 マイクロメートル(おおよそ青)
  • バンド 2: 0.52-0.60 (おおよそ緑)
  • バンド 3: 0.63-0.69 (おおよそ赤)
  • バンド 4: 0.77-0.90 (近赤外線)
  • バンド 5: 1.55-1.75 (中間赤外線)
  • バンド 6: 10.40-12.50 (熱赤外線)
  • バンド 7: 2.09-2.35 (中間赤外線)
  • バンド 8: .52-.90 (パンクロマティック)
画像の解像度は、バンド1〜5、7が約30m、バンド6が約60m、バンド8が約15mである。

画像のNASA(やその代理店)から購入するととても高いらしいが、撮影時期を選ばなければ、USGSのサイトから、
を無償でダウンロードすることができる。

ダウンロードの方法

画像検索はUSGSのEarthExplorerを用いる。手順は以下のとおり。

  1. EEのページを開く。
  2. 左側にある "1. Select your dataset" の "Landsat Archive" にある "L7 SLC-off (2003-present)"、"L7 SLC-on (1999-2003)"と、"Landsat Legacy"にある "ETM+ (1999-2003)"
  3. にチェックをいれる。
  4. 真ん中の "2. Enter your Search Criteria" で、入手したい画像の場所や撮影時期を選択する。
  5. 右の "3. Search" をクリックすると、検索がはじまる。
  6. 検索結果の画面がでたら、Data Setをクリックすると、結果の詳細情報が表示される。一番左のプレビュー画像で、目的の場所が雲で覆われていないかを確認できる。撮影日時等もチェックできる。
  7. ほしい画像が決まったら、中央のdownloadリンクをクリックする。

ee.jpg
(EEの画像検索画面:クリックで拡大)

いくつかのファイルのダウンロードにはユーザ登録(無料)が必要だ。また、直接ダウンロードではなく、オンデマンドで注文(価格は0円)してダウンロードする必要がある場合もある。

ムカラバの調査地周辺が写っていて、雲がかかっていない最新の画像は2000年8月6日撮影のものだった。ダウンロードしたファイルはelp185r062_7t20000806.tar.gzという圧縮ファイル。この中身については後日。

次回はデジタル標高データをダウンロードする。

参考ページ・書籍



2009年10月25日

調査地のGISデータベース構築に挑戦(2): データソース

作業にとりかかるまえに、まずは使用するデータソースを選定する。

調査データ: GPSの waypoint と track

最重要なのは、フィールドで実際に得るさまざまなデータだ。踏査ルート、トランセクト、動植物やその痕跡の観察地点、人間の痕跡の観察地点、その他のランドマークだ。これらは、基本的にGPSに記録された waypoint または track データだが、既存の紙の地図上に記入されたものもある。

衛星画像: ETM+ (Landsat 7)

データの視覚化と、将来の植生解析のために、衛星画像を用いる。最近は高解像度の衛星画像を購入可能なようだ。JICA/JSTの予算で購入予定だが、データベースの試験的構築にあたっては、無償で入手可能なものから試してゆく。当面使うのは、Landsat 7が撮影した ETM+ だ。USGS (United States Global Survey)のウェブサイトから無償でダウンロードできる。

標高データ: SRTM

ムカラバの地形図はない。利用可能なのは、スペースシャトル・エンデバーによるSRTM (Suttle Radar Topography Mission) によって得られた解像度約1km90mの標高ラスターデータである。ETM+同様、USGSのウェブサイトから無償でダウンロードできる。

植生図、エコリージョン

CARPE (Central Africa Regional Program for the Environment) が、コンゴ盆地周辺の自然保護や生態研究に有用なGISデータを無償公開している。これらも使わせてもらう。また、WWF-Gambaが1990年代おわりに作成したムカラバ周辺の水系、道、集落のデータと植生図のデータも手元にある。

その他

GeoCommunityなど、使えそうな地図データを公開しているサイトはほかにもある。また、紙の地図もある。これらは、おいおい必要に応じて追加してゆく。

次回は、それぞれのデータソースの詳細と入手方法を記す。

2009年10月23日

調査地のGISデータベース構築に挑戦

9月から開始したJICA/JSTの地球規模課題対応国際科学技術協力事業「野生生物と人間の共生を通じた熱帯林の生物多様性保全」では、主要な成果のひとつとして調査地であるムカラバ国立公園の生態系マップの作成というものがある。年明けから広域で動植物相の調査を開始する予定だが、そのデータも、地理情報としっかり関連づけてゆかねばならない。

そのために、センサスの計画デザインと、GISを含む生態データのデータベースの構築が、僕の年内の仕事になる。

今回、GISも含め、データベースはすべてオープンソースのソフトウェアを使用する方針だ。なぜなら、いずれそれはガボンのIRETに移管するからだ。高価なソフトウェアでデータベースを組んでしまっても、のちのち使えない。

今考えているのは、GRASS GIS + SQLite + R + MapServer という組み合わせだ。OSはUbuntuのサーバ版にしようかデスクトップ版にしようか思案中。とりあえず、サーバにするマシンの選定をしつつ、自分のノートPC上にテストシステムを構築してみる。随時経過をアップしてゆきたい。