2009年7月 9日

ガボンで類人猿調査をするには?(5) 装備 3

今回は電子機器・光学機器について。ただし双眼鏡は前に書いたので省略。

パソコン

ノートパソコンをフィールドに持ちこむ、というのがあたりまえの時代になったなぁ。
なんでもいいです。頑強性とか、あまり考えなくてもいいでしょう。長時間バッテリのものがいいですね。PCはどの機種にするかということより、現地でどう保護するかということのほうが大事。それはまた別の機会に。

タッチパッドが壊れることがある。そうすると、かなり使えなくなるので、USBマウスを持ってゆこう。

あと、起動に時間がかかるものは、使うのがおっくうになるので避けたい。それはOSの問題だけど。

インストールしておくべきソフトはまた別の機会に。

ビデオカメラ

昔、親切な販売店の人に助言されたのは、レンズの口径の大きいものにしなさい、ということ。あと、手ぶれ補正機能は必須。ベストのポケットや、ポーチにおさまるサイズのものがよい。いちいちザックから取り出す時間がもったいない。

僕は、8年前に購入したSONYのデジタルビデオカメラに、光学2倍のテレコンバータを装着している。20mくらいの距離なら、顔のアップを撮影できる。

デジタルスチルカメラ

コンパクトカメラは、なんでもいいです。一眼レフは使ってないのでわからない。が、ビデオカメラでは一眼レフのかわりにはならない、ということはおさえておきたい。こちらも、画素数などよりもレンズの性能を重視。

GPS

熱帯林で安定して測位できる機械としては、Garmin GPSmap60cxがおすすめ。日本語版と北米版があるが、数万円の価格の開きがある。日本語なんかいらんので、北米版でよい。

この機種は、生活防水だし、単三の充電池2個で半日以上使える。以前使っていたGarmin GPS-IIIは単三電池4本で、4時間くらいしか使えなかった。

電子辞書

今や必須項目ですなぁ。フランス語辞書が収録されているのは、これ。しかし、アフィリエイトで紹介しておいて何だが、音声機能とかmicroSD搭載とかPC連携機能とかいらんから、それから収録辞書ももっと減らしてくれていいから、あと1万5千円くらい安くしてほしい。最新機種になるほど、余計な機能が付加されてくんだよね。

せっかくアフィリエイトで紹介するので、この辞書の利点をふたつあげておく。

ひとつは、仏英-英仏辞書があること。「英語のこれ、フランス語で何ていうんだっけ?」とかその逆は、フィールドではよくある。もうひとつは、かのオクスフォード現代英英辞典が入っていること。現地で英語原稿書きたい人は必携です。




充電池&充電器

エネループ、エネループ、エネループ。充電器を忘れずに。

ヘッドランプ

白色LEDのものが必須。基本的に電池交換がいりません。便利な世の中になりました。

変圧器

発電機の電力や、都市の家庭用コンセントの電気は電圧が不安定なので、変圧器があったほうがいい。しかし、重い。そして、空港とかで売ってる安いやつは、壊れやすい。まあ、PC本体などが壊れるのを防ぐ防波堤と思えばよいのだが。

2009年7月 1日

ガボンで類人猿調査をするには? (4) 装備 2

装備の2回目は、衣服。

  1. 履物
  2. ベスト
  3. ザック・ポーチ
履物

マハレみたいな山岳地帯で調査する場合は、登山靴やトレッキングシューズがいいのだろうが、ムカラバは比較的平坦なので、山用の靴はいらないと思う。ふつうの運動靴か、ホームセンターで売っている作業靴がいい。運動靴は壊れやすいが、1ヶ月で履きつぶすつもりになれば大丈夫。

作業着やさんで、現場用の靴を買っていったら、足先を守るための金属が靴の先に入れてあったせいで、空港の保安検査でいちいち脱がねばならず面倒だった。けど、最近はみんな脱げ、と言われることもあるので、それが嫌でなければOK。

だが僕は最近運動靴もやめて、釣具屋さんで売っている「鮎タビ」というウレタンのタビを好んでいる。

足裏の感覚をなるべく裸足に近付けようと、地下足袋を試したこともある。地下足袋は、森の中を歩くのには最適だ。問題は、旧伐採路の固い地面を歩くときに、足裏が割れるように痛いことだ。ワラジを持って上から履ければいいのだけれど。

雨が降ったり、川を渡ったりするのに長靴がいるのでは? ここは好みだ。僕は長靴は重いし、足音もうるさいし、どうせどこかで中に水がはいって却って歩きにくくなるので好きではない。なるべく軽く、乾きやすい履物で、濡れて当然というつもりで歩きたい。

とはいえ、やっぱり足が濡れるのは嫌、という人は、日本で自分の足にあう長靴を買ってゆくこと。ガボンで買うと、足にあわずに往生する。田植用の長靴がとてもいいらしい、というのは 山口大の藤田さんの話。



2000年までは、自分の着古した古着を持っていっていたが、最近は作業着やさんで作業着を買って使っている。綿100%より、少しアクリルがはいっているほうが乾きがよい。作業着がいいのは、ポケットがちゃんとしていること、洗濯板での選択にも強いことだ。

ズボンも、作業ズボンがよろしい。薄くて丈夫なものがよい。

頭には帽子か手拭いがあったほうがよい。帽子はひっかかって脱げちゃうことが多いので、手拭いがいいですね。汗も拭ける。和風の模様の手拭いを持ってって、帰るときにトラッカーにプレゼントできる。

ベスト

上半身にいろいろ物を入れるにはベストがあると便利。ベストを着用していると、歩くときに双眼鏡をベストの中に入れれば揺れない。龍谷大の鈴木さんのアドバイスだ。

ベストの選択肢は3つある。山やさんで買う、作業着やさんで買う、釣具やさんで買う、だ。ひょっとしてカメラやさんで買う、というのもありかも。

物の使い勝手や品質で考えれば、山やさんで買うのがBEST。しゃれです。けど高い。

作業着やさんのベストは、ぶあつくて重い。それに、ポケットもいまいち使いにくい。

おすすめは釣具やさんで2000円程度のもの。小さなポケットがたくさんついていて便利だ。

うしろがメッシュになっているものがよい。暑いからです。

買いにゆくときは、フィールドノートやビデオカメラ、地図など、実際に持ち歩くものをお店にもってゆき、ちゃんとポケットに入ることを確認しつつ、どれをどのポケットに入れるか決めてから買う。

ザック・ポーチ

ザックは背中が蒸れるので、やめてみたりもしたけれど、やっぱ、あったほうがいい。ザックなしだと、背中をツェツェバエに刺されまくるというのも、無視できない要因だ。

自転車用のたすきがけザックを試したことがあるが、不便だった。身体の前のほうで、双眼鏡の紐とバッティングするのだ。

僕のこだわりは、外側の大きさに比べ容積が大きいこと、それだけ。たくさんポケットがあったりしても、結局使わない。こまごましたものはベストに入れる。

ポーチは、ベストがあればいらないともいえる。ただ、荷物の重さを肩と腰に適度に分散させたほうが疲れないので、その意味では便利かも。