2009年6月29日

ガボンで類人猿調査をするには?(3) 装備 1

ガボン調査マニュアル第3弾は、途中経路のホテルの予約について書こうと考えていたが、いざ出発してからのパリやリーブルビルの過し方と区別できなくなってしまいそうなので、旅支度の話にする。

今回は、必須中の必須アイテムをみっつ。

  1. 双眼鏡
  2. フィールドノート
  3. 筆記用具
時代おくれかもしれないが、この3点セットがあれば最低限の調査はできるのだ。順に説明する。

双眼鏡

ゴリラの人づけが進んでいるとはいえ、やはりなかなか間近で見ることはできない。顔やしぐさをじっくり見ようと思ったら、10倍はほしい。

倍率にも増して重要なのが明るさだ。森の中は思いのほか暗い。

完全防水でないと、湿気で中からレンズがカビる。最近は曇り防止機能がついているものもある。

あなどれないのが重さ。チンプもゴリラも樹上にいることが多い。必然的に上をむいて双眼鏡を構えることになるが、重たい双眼鏡だと肩がこる。僕の初代双眼鏡は900gもあって大変だった。

フィールドノート

フィールドノートは、コクヨの測量野帳スケッチブック、またはレベルブックを愛用してきた。ブロック罫線のスケッチブックか、横罫線のレベルブックかは好みが別れるところだ。表紙が厚紙で、何もないところで書くのに適している。

難をいえば、ページ数があまり多くないことと、縦長で作業着やベストの胸ポケットに入りきらないことがあることか。

今度の旅行では、今をときめくモレスキンの無地の手帳を試してみようと思って、試用中だ。1冊192ページもあるし、ゴムバンドがついている、背表紙の裏にポケットがある、糸しおりがついているなど、魅力的だ。少々高いけれど。

防水ノートがいいのではないか、と聞かれることがあるが、その必要はない。激しい雨に打たれながらノートをとることはあまりない。嵐山で防水レベルブックを使ったことがあるが、ツルツルして書きあじがわるいうえ、雨に濡れるとプラペーパーのページがくっついたり、割れたりした。紙が一番。

筆記用具

鉛筆か、シャーペンか、ボールペンか。好みが別れるところだ。すべて一度は試したが、今は顔料インクの2色ボールペンを使っている。しかし、人にもよるのかもしれないが、僕は森の中で別の色を使うことはほとんどない。

ボールペンの場合、同じものを最低2本は持ってゆく。落とすかもしれないからだ。また、替え芯もふんだんに持ってゆこう。芯の残りを気にして書くのを控えるのはばからしい。それから、森の中にも2本は替え芯を持ち歩く。最近のボールペンは性能がいいため、最後の最後まで、まったくインクが終わる気配を感じさせずに書ける。そしていきなり終わる。2本なのは、落とすかもしれないから。

ノートやポケットに挿せるように、クリップのついたものがよい。プラスチックのクリップは折れやすいので、金具のものがよい。

シャーペンの欠点は薄いことだ。あとから読みかえすのが大変だ。利点は、少々の雨では書けなくならないということ。ただし、最近の(日本の)ボールペンはなかなか性能がよくて、そうそう書けなくならない。

先輩のSさんに教わったのだが、薄いのは芯が固いからで、2Bの芯にすれば濃く書ける。ただ、やわらかい芯はよく折れる。僕はボールペンにする前はシャーペン派だったが、結局そのときはBの芯におちついた。でも、やっぱり薄いと感じた。

シャーペンもクリップが必須。

鉛筆...。鉛筆にはあこがれがある。2Bの鉛筆ならシャーペンほどには折れるまい。また、頑丈さ、こわれにくさではボールペン、シャーペンをはるかに凌駕するだろう。

問題はクリップがないことだ。こないだ、ロンドンで万能ペンクリップを買ったので、一度試してみるか。

ただ、筆先を守るためキャップが必要だ。でもキャップはおとしそう。実はノック式ボールペンの利点は、芯の収納が簡単というところにあるんだよなぁ。

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