2009年10月11日

やるべきことが見えてくる研究者の仕事術--プロフェッショナル根性論

以前から「ライフハック系」の本や記事、ウェブサイトが好きで、よく読んでいた。GTDなどは自分の日々の生活を管理するのにおおいに参考になる。

しかし、ビジネスパーソン向けの仕事術本を読んでいると、役にたつことは多いのだが、やはり研究者の生活とビジネスパーソンの生活には、どこか根本的な違いがあるのだな、ということを感じることが多い。

一番よく感じるのは、ビジネスパーソンむけのアドバイスの多くの基底にあるのは、「"思考"を分解して"作業"にしてしまえば、あれこれ考えなくてすむ」という考えかたであるように思う。だが、研究者は、やっぱりしっかり"思考"しなくてはならないと思うのだ。

もちろん、研究者の仕事のなかにも、"作業"としてて扱えばいいようなことはたくさんある。むしろ、費す時間で考えればそういう仕事ばっかりと言ってもいい。残念なことだけれど。

それはともかく、研究者の仕事のキモは"思考"にあり、それは完全に"作業"に分解してしまうことは不可能だと思う。しかし、ある程度"思考"も"作業"的におこなうことで、効率的に考えることができるようになるのではないか、そういうヒントを、「ライフハック系」書籍に求めてきたわけだ。

「やるべきことが見えてくる研究者の仕事術--プロフェッショナル根性論」は、おそらく日本語で書かれたはじめての研究者向けライフハック本だ。仕事術的な意味では、あまり目新しい内容はなく、既存のライフハック本の内容のダイジェスト的なものだ。しかし、"研究者のライフハック"の指針が簡潔に記されており、参考になった。

(amazonのレビューではつっこみの浅さに対する批判もあるようだが、"研究者がいかにビジネスパーソン的仕事スタイルをつまみぐいして自分の生活にとりいれるか"ということを解説した本だと考えればいいのではないか。ライフハックなんて、所詮は処世術だし、研究者たるもの、そこに深みを求めてもしょうがない気がする。)



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