[読書] お笑い芸人 糖尿病と二人連れ
僕の再従兄弟(はとこ)に、是枝正彦という劇作家がいる。今はパンプランニングという劇団の代表をしているらしい。古いお笑いファンなら、「お笑いスター誕生」に出ていたキモサベ社中のリーダー、と言えば思い出す人がいるかもしれない。
小学生の頃、「お笑いスタ誕」に"正彦にいさん"が出るというので、土曜日は大急ぎで家に帰ったものだった。ところが番組は12時からなので、キモサベの出番が早いと見れないのだ。
当時はまだビデオ録画機は高価で、うちにはなかった。そこでテレビの前にラジカセを置いて、親に録音してもらって聴いたりした。
今だから言うが、身内びいきで応援していたものの、子ども心に、キモサベ社中はもう一つ、弾けていないというか、毒がないというか、物足りない感じがしていた。同じ頃に出ていたグループの「ファニーズ」のほうがおもしろいと思っていた。けど、ファニーズはWikipediaには出てないのね。少し遅れて出てきたコロッケは、下品だなぁ、と思っていたけど、キモサベもあのくらいやらないとな、なんて思ってた。
まあそれはともかく、同じ頃、九十九一とか、でんでんとか、マギー史郎とか、出てたねー。ナポレオンズも見たような気がするんだけど、ちょっと定かでない。
実は上に書いたようなことは、僕が落語なんぞに興味をもったのは、ひょっとして芸人の血が流れているからだろうか、などと考えて検索してみたら出てきたことだ。インターネットって、すごいね。劇団のウェブで正彦さんのお顔を拝見したが、僕をかわいがってくれたおばさんにとてもよく似ていて懐しくなった。
「お笑い芸人糖尿病と二人連れ」は、キモサベ社中の元メンバーで、今はコント劇団「ザ・ニュースペーパー」に所属する渡部又兵衛の自伝だ。キモサベ社中解散のいきさつが書いてあるというので買った。まっさきにそこを読んだけど、少し切なくなった。
けれど、それ以外のところは面白い。芸人の人生って、ほんとに波瀾万丈なんだな。
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